北私幼時報カマラード156号
未来を生きる子ども達にできること
幼稚園型認定こども園 芽室幼稚園
園長 太田久恵
平成30年4月、戦後最大の教育改革と謳われた教育要領の改訂が幼児教育から始まり、時同じく当園では新園舎が完成し、幼稚園型認定こども園として新たにスタートしました。
開園から50年という間に築いてきた保育内容を一新することは、たやすいことではなく、自分たちの保育感をまず疑ってかかることから始め、先進的な保育を実践している幼稚園を視察したり、外部講師を招いて園内研修を行うなどしながら、子ども主体の保育について学び、試行錯誤をしています。
法人の理念や教育方針の違いにより、子ども主体の保育を行うにしても実践方法は様々にあると思いますが、当園に合っていた方法はプロジェクト保育でした。

プロジェクトの進め方として、子ども達が今何に興味を持ち取り組んでいるのかを観察し、その中にどのような「学び」が潜んでいるのか、今後どのような経験をしてほしいのか考察しながら行っています。例えば、冬場グラウンドが凍った時期に子ども達が「リンクみたいだね」と会話しながら遊んでいる姿から「グラウンドにスケートリンクを作ろう」をテーマにしたり、夏場に雨どいを使って山の上から下に水を流して遊んでいる姿から「巨大流しそうめんを楽しもう」というテーマで活動してみました。子ども主体の保育で大切にしたいのは、子どもの日々の「遊び」で、その遊びの中に教師の「ねがい」をしのばせることだと考えています。運動会や発表会など大きな行事であっても、同じように一っひとつの活動を積み上げて展開しています。
学年や年齢によって差はありますが、過去に行っていた教師主導型や教師の指導が必要な演目や競技をできるだけ排除し、子ども達の「やりたい!」を実現できるような環境作りや助言などを行い、子どもも保護者も教師も楽しめる保育を目指し取り組んでいます。